音楽の新たなカタチ。定額配信サービスで音楽を”借り放題”の時代は来るのか!?
- 2015.06.10
- ライフ / Life
- ビジネス, マーケティング
最近、音楽のカタチに新たな動きが加速している。
それは数多くの音楽を借りるカタチの「定額配信サービス」である。
これまでは、iTunesのように音楽をダウンロードするカタチがメインであったが、これからは定額音楽配信サービスのLINEMUSIC、AWA、Apple Musicのような「音楽を借りる」カタチがメインになるかもしれません。
Appleがデジタル楽曲を”曲単位”で配信することから始まった
まず最初にAppleがiTunesでデジタル化された楽曲、曲ごとの販売を行うようになった。
しかも、値段は非常に低価格でCDを買うのと比べて2分の1以下の値段で買えてしまう。1曲150円とか250円とか。
曲ごとに楽曲が買えてしまうのは今までのビジネスモデルをぶち壊し、利用者にとって新しい音楽購買のカタチをもたらした。
もともと著作権を無視した音楽がネットで出回ることが多かったが、
無料音声共有サービスSoundCloud(サウンドクラウド)が出現したことで、著作権を無視した楽曲が次々にアップされていろんな音楽が聞き放題になった。
有名なアーティストは新曲を1分間だけ流すなどしてティーザー広告などファンの獲得の場として使っていた。とはいえ、一応サウンドクラウドのサイト内からアーティストの楽曲が買える仕組みも導入はされている。
インターネットでは著作権が無視された楽曲が出回ることは前からあった。
音楽業界は楽曲がデジタルコンテンツ化したことでコピー&ペーストが簡単になり音楽が勝手に複製され、共有され、利用されるようになった。だからアーティストととしても楽曲の価値が低くなり、より無料に近づく一方だった。
だからこそ近年はアーティストのライブなどのイベントが盛り上がり、アーティストはイベントに力を入れるようになった。
定額制音楽サービス時代の到来
今やCDが売れないことが当たり前となり、ヒットチャートを占めるのはAKB48のグループかごく一部の限られたアーティストだけになった。
デジタル化された楽曲が世の中に浸透していく中で、これまではiTunesがデジタル楽曲の王様であった。
しかし、ここ最近はスウェーデン発祥のSpotify(スポティファイ)による「定額制音楽配信サービス」がヨーロッパを中心に急速に拡大している。
出典:www.huffingtonpost.co.uk
Spotify(スポティファイ)は1500万を超える楽曲を聴き放題の音楽ストリーミングサービスである。
たくさんの音楽を、自分のスマホやパソコンなどのデバイスに保存することなく聴けるのが特徴。
無料プランと有料プランがあって、無料プランで音楽を聴く場合は数曲に1回、広告が流れる。
会員数は2014年の時点で6000万人を突破。有料会員は1500万人だと発表した。
そんな今猛烈な勢いのある音楽サービスの「Spotify」は日本上陸を公言しているようだが、なかなか進出することができていない状況。
そうこうしてるうちに、日本企業やAppleがぞくぞくと定額音楽サービスを始めた。
順番でいうと、まずは「AWA」
2015年5月27日よりアプリでサービスをスタート。
AWA(アワ)はIT企業のサイバーエージェントとエイベックスデジタルが共同で設立された。
サイバーエージェントがアプリの開発などを行い、エイベックスデジタルが楽曲の調達を行うという。
LightプランとPremiumプランが用意されており、はじめはPremiumプランが90日間無料で使うことができます。
無料期間の90日が経った後は、無料プランか月額1,000円のプレミアムプランのどちらかを選ぶことになります。
AWAアプリダウンロード後、アカウント作成する必要がないのが特徴で、すぐに利用することができます。
また、もう1つの特徴としては、「ユーザーが作ったプレイリスト」によってアプリ内容が形作られていることが挙げられます。
たとえば、「ジャンル」カテゴリーから「POP」を選択すると、POPに関するAWAユーザーが作ったプレイリストが表示されます。今までの一般的な音楽サービスでは「ジャンル」の「POP」をクリックすると、POPの新着や人気、特集のアーティストが表示されていました。
AWAではプレイリストを作ったり共有したりして構成されているサービスになります。
このことからAWAはユーザー参加型の音楽配信サービスと言えます。
LINE MUSIC(ラインミュージック)
LINE MUSICは6月11日よりサービスを開始しました。
LINEとエイベックスデジタル、ソニーミュージックの3社でLINE MUSIC株式会社を立ち上げた。
エイベックスデジタルはAWAでサイバーエージェントとも手を組んでいます。
LINE MUSICの目指す音楽のあり方は「日常のコミュニケーションに音楽を取り入れること」。
2015年8月9日まで無料でサービスを提供し、以後は以下の料金プランとなります。
出典:motokase.com
無料プランを設けず、有料のプランのみではあるが、いずれにしても低価格です。
LINEユーザーが若いこともあってか「学割価格」が設定されているのもLINEMUSICの特徴。
公開時では150万曲の楽曲が聴き放題。
特徴は、本家コミュニケーションサービスの「LINE」でLINE MUSICの音楽を送ることができること。
LINEでする日常のコミュニケーションの中に音楽を取り入れていこう、といった考え方です。
Apple Music(アップルミュージック)
これまでiTunesやiMatchなどの新しい音楽サービスを提供してきたAppleもついに定額配信サービスに乗り出した。
6月30日からサービスを開始すると発表しました。
価格は月額9ドル99セント。最初の3カ月間は無料で利用できる。30万曲が聴き放題。
デジタル音楽配信のキーワードは”サブスクリプション”
音楽配信のカタチが曲単位になり、ダウンロード販売が主流でした
しかし、これからの流れとしては定額配信サービスが盛り上がりそうです。
サブスクリプションとは「一定期間に定額でいくらでもデータを取得できる販売方式」のこと。
つまり、「曲を買う」のではなく、「莫大な音楽を一定期間聴ける権利を買う」というカタチだ。
企業は1つの曲に価値を出すのではなく、何万曲も集めた「音楽ライブラリー」として価値を提供するということになる。
こうしてデジタル音楽業界の動きを書いてきたが、ここで忘れてはならいことがある。
それは、アーティストが売り上げを上げる機会が大きく減っている、ということ。
これまで述べた通り、デジタル音楽の価値が非常に低くなったことは、消費者にとってはすごく便利なコトではあるが、アーティスト側は一向に稼ぎを上げることが難しい状況になっている。
なのでアーティストはこれまで以上に”稼ぎ方”を考える必要が高まっている。
アーティストはもはや音楽のことだけを考えているだけでは活動が続けられないので、ビジネスについても考えていく必要があるのかもしれません。
ブランディング方法について記事はこちら→ https://seekerbase.blog/self-branding/
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