『Final Cut Pro』と『Adobe Premiere Pro』を比較 一歩進んだ動画制作に合うのはどっち?
- 2018.06.06
- クリエイティブ / Creative
ユーチューブをはじめとする動画の普及によって「ミュージックビデオを作りたい!」「結婚式に使う映像を作りたい!」と個人の趣味まであらゆる人が動画製作をするようになりました。
一歩進んだ本格的な動画にチャレンジしようと考えた時に候補になるのが、Appleの『Final Cut Pro』か、Adobe(アドビ)の『Premiere Pro』の2択になるでしょう。これら2代動画編集ソフトを機能や料金で比較しました。
1.価格と動作環境の違い
機能を比べる前に、まず料金やパソコンで動作するかが重要です。価格と支払い方法、対応OSを見てみましょう▼
Final Cut Pro | Adobe Premiere Pro CC | |
価格 | ¥34,800 | ¥2,480 / ¥26,160 |
支払い | 一度 | 月々 / 年額一括 |
対応OS | Mac | Windows/Mac |
ファイナルカットプロは購入すればずっと使い続けることができますが、Adobeのプレミアプロは月額制となっていて、支払い方法が毎月(あるいは年額一括)払うことでソフトが利用できる仕組みになっています。
支払いが一度の”買い切り”で済むことは購入してしまえば経済的な心配はいりませんが、一度にかかる購入額の負担は大きくなります。
一方、月額制の支払いはソフトを利用する限りずっと支払うことになりますが、経済的な負担は月々に分散されて少なくなります。さらに言えば、プレミアプロを提供するアドビはクラウドシステムに移行すると同時に月払い制になりました。クラウドになったことで、最新アップデートが利用できたり、クラウドストレージの利用、その他アドビのアプリ間のデータ共有などができるようになりました。
残念なことにファイナルカットプロはAppleが提供するソフトなので、Macでしか利用できません。プレミアプロはMac、Windowsの両方で利用できます。
支払いやパソコンの利用環境によっては、ここまでの時点で選択肢が決まってくるかもしれません。
それぞれのソフトの特徴をみていきましょう。
2.それぞれの主な違い
どちらも専門性のある有料動画編集ソフトなわけですが、それぞれに異なった特徴があります。
-1.操作画面
ファイナルカットプロ の操作画面▼
既存の設定では、中央上部にプレビューが配置されており、下にタイムラインがあります。
プレミアプロの操作画面▼
プレミアも同じく中央上部にプレビューがあって、下にタイムラインが配置されています。基本的な操作画面の配置は似ています。
よくよく見てみるとプレミアプロにはいろんな設定のボタンやタブがあります。プレミアプロはファイナルカットプロ と比べて機能が多く備わっているので、ボタンがいくつもあります。なのでプレミアプロの方が操作画面が難しく感じます。
ちなみに操作画面の各設定は好みの配置に変えることができます。
-2.他のソフトとの連携
動画制作では編集だけでなく、そのほかにも2D、3Dのグラフィックやエフェクトを加えたり、別撮りした音声を整えたり、画像データを取り込んだりと編集にプラスして素材を作って取り込むこともできます。
そう言った場合には、動画編集ソフトだけでなく他のソフトと連携して映像を制作していきます。
ファイナルカットプロ の場合には、Apple社が開発したCGを作ることができるmotionというソフトやデータを最適化するCompressorというソフトがあり、ファイナルカットプロ と連動します。また音楽制作ソフトのMainStage、Logic Proを使って曲や効果音を作り、動画と組み合わせたりできます。
Apple社のファイナルカットでは…
- Motion
- Compressor
- MainStage
- Logic Pro
などと連携して、より映像作品の表現を高めることができます。
一方で、Adobe社のプレミアプロでは画像編集ソフトのPhotoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレーター)、CGやエフェクトが制作できるAfter Effects(アフターエフェクツ)、2Dアニメーションが制作できるCharacter Animator(キャラクターアニメーター)など、画像からエフェクト、CG、アニメーションまでの専門的ソフトと連携ができます。
Adobe社のプレミアプロでは…
- Photoshop
- Illustrator
- After Effects
- Character Animator
- Audition
など、アドビのソフトはプロが使う高機能で専門性の高いソフトなので、これらのソフトと連携して使うことでハイクオリティーな作品を作ることが可能です。
あくまでファイナルカットもプレミアプロも連携するソフトは同じ制作元の企業である必要はありません。しかし、同じ制作元である企業のソフトでは基本的な操作方法が似ていたり、共有しやすい環境になっていることがメリットとなります。
3.Final Cut Pro(ファイナルカットプロ )の特徴
Macに無償で付属している動画編集ソフト『iMovie(アイムービー)』の上位版と言えます。操作画面もだいたい同じで、ファイナルカットの機能を制限したものがアイムービーです。
もともとアイムービーで動画を制作していた人なら、簡単にファイナルカットプロ の利用を始めることができるでしょう。またファイナルカットプロ の操作画面はだいぶわかりやすく初心者でも扱いやすいでしょう。
ガチで映像制作をしていきたい、とかでなくて、そこそこのクオリティの動画が作れるようになりたいという方に合うのではないでしょうか。
ちなみにファイナルカットプロ を利用するユーチューバーにはヒカキン氏やはじめしゃちょー氏が利用しています。
公式サイト⇒ Final Cut Pro|Apple
4.Premiere Pro CC(プレミアプロシーシー)の特徴
プレミアプロの機能は盛りだくさんです。操作画面も複雑でどこをいじってよいのかわからないでしょう。基本的な操作を覚えるまでが大変ですが、複雑なぶんできることがたくさんあるので、より豊富な表現が可能になります。
またアドビ公式でチュートリアルが用意されているので、初めてでも動画やサイトなどで練習課題をしながら覚えていくことができます。
プレミアプロを利用するユーチューバーには、瀬戸弘司氏やカズ氏、くまみき氏などが利用しています。また映画の世界ではシン・ゴジラやデッドプールなどの映画の世界でも使われています。
さらにはエフェクトやCGなどの分野では、アドビのAfter Effects(アフターエフェクツ)はブレードランナー2049なんかで使用されています。
このように、プレミアプロを提供するアドビ社のソフトは、クリエイティブ業界で使用される専門的なソフトをいくつも提供しているので、画像編集ソフトのPhotoshop(フォトショップ)で動画のサムネイルを作ったり、動画に画像を組み込んだり、オリジナルのテロップや図なんかも挿入できたりと、多くのプロに支持されています。
アドビのソフトに関しては、いくつもあるので公式ページからご覧ください。
プレミアプロは高機能でその他の専門的なソフトと連携がしやすいので、よりこだわりたい人向けの動画編集ソフトと言えるでしょう。
5.負担を少なく使うならファイナルカットプロ、本格的な製作がしたいならプレミアプロ
まだまだどちらのソフトも機能がたくさんありますが、大きな違いはこれらがあげられると思います。一言でいえば、あまり難しくならずに一歩進んだ動画制作に取り組みたいならファイナルカットプロ 。本格的で表現豊かに映像を制作したいならプレミアプロ、といった感じです。
僕の場合は、結局はこだわりたいタイプなので、プレミアプロを利用しています。やはりメリットは他のアドビのソフトと連携できることです。アフターエフェクツで2Dのオープニングを作ることができるし、状況を説明するための図をフォトショップで作ることもできます。音声を本格的するためにオーディションでノイズを消去することもできます。
極め付きは、アドビのクリエイティブソフトが使い放題のコンプリートプランに加入しているので、プレミアプロもアフターエフェクツもフォトショップも、あらゆるクリエイティブ業界で利用されるソフトたちが使えるので、プレミアプロを利用しています。
個人的にはプレミアプロをオススメしたいですが、とっつきにくさがあるので、挫折してしまう可能性もあります。少しずつチュートリアルで学んで、基本を抑えてしまえばあとは大丈夫かと思いますが。
Final Cut Pro | Adobe Premiere Pro CC | |
価格 | ¥34,800 | ¥2,480 / ¥26,160 |
支払い | 一度 | 月々 / 年額一括 |
対応OS | Mac | Windows/Mac |
さらに詳しい情報は公式ページよりご覧ください▼
ファイナルカットプロ ⇒ Final Cut Pro|Apple
プレミアプロ⇒ Premiere Pro|Adobe
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