”インターネットの父”から「ネットのあり方」や話題の「IoT」について聞いてきた!

”インターネットの父”から「ネットのあり方」や話題の「IoT」について聞いてきた!

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ンターネットは新たな時代を迎えようとしているようだ。

初期の頃は誰も見向きもしなかった技術がやがて技術者達が注目するようになり、マイクロソフトのWindows95によって多くの”技術者でない”一般の人たちにパソコン、インターネットの利便性が伝わっていった。

そして、いまやスマートフォンによって誰もがいつでも簡単にインターネットにアクセスできるようになった。

”インターネットの父”と呼ばれる村井純さんはこう言っていた。

「昔はリアルの世界は”コッチ”でインターネットの世界を”アッチ”と呼んでいたけれど、今はもう、リアルの世界もインターネットの世界も”コッチ”の存在になった」と。

つまり、別の場所であったインターネットの存在はもはや現実の世界に溶け込んでいる感覚になっている、ということ。

そしてこれからの時代はIT界隈では「IoT(=Internet of Things)」→「”物”のインターネット」だとよく言われるようになった。

あらゆる物がインターネットにつながってデータを採ることで生活がもっと便利なる、といったような期待感があるよう。

ぼくは最近までIoT(アイオーティー)の読み方すらよく分かっていなったけど、今回村井純さんのお話を聞いて多少感覚を得たので、振り返りたいと思います。

今回行ってきた公演はこちらです▼

【テーマ】

「未来のインターネット 〜IoT、ビッグデータ、人工知能が変えていく世界〜」

【登 壇】

村井 純 氏 (角川インターネット講座 代表監修者。角川インターネット講座第1巻『インターネットの基礎 情報革命を支えるインフラストラクチャー』著者。慶應義塾大学環境情報学部長・教授)

【ゲスト】

角川 歴彦(株式会社KADOKAWA 取締役会長)

【総合司会】

遠藤 諭(角川アスキー総合研究所)

このイベントに行くきっかけになったのが、「角川インターネット講座」という本がキャンペーンで破格になっていたことで思わず購入したことだった。定価20,000円が2,700円になっていた。

 

この角川インターネット講座のイベントが行われるということで今回参加したというわけです。

前置き長くなりましたが、振り返っていきましょう!

登壇者の村井純さんと角川会長のコメントから振り返ります。

まずはインターネットの父こと村井純さんの登壇から。

 

インターネットの歴史と裏側

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村井純さん:「インターネットの世界は画像のように水面下でさまざまな技術から成り立っています」

WEBとAPIくらいしか聞いたことがないぼくには詳しいことはわかりませんでしたが、もっと深くにさまざまな技術が使われていることを知りました。

2000年問題(y2k)があったらしい。

2000年以前のインターネットには年代の表記が下二桁しか記述されておらず、2000年を迎えた時には「00年」と表示されます。それをコンピューターは”1900年”と読み取ってしまうため、コンピューターがバグを起こしインターネットの世界が崩れるんじゃないか、という噂がIT業界で広がっていたらしい。。結果、ほとんど問題は起こらなかったとか。

 

村井純さん:「昔のインターネットはエンジニアとかの内輪が住んでいた。だからその頃はセキュリティーに対して関心が薄かった」「そして2000年問題や9.11テロが起きてセキュリティーに対する関心が高まった」

この話で村井純さんは「NHKのサイバーテロの番組見た?」「ドォ〜〜ン!という重低音を鳴らしていたんだけど、それはつまり怖がれってことだよ!?」と言った。そして会場は笑う。

ぼくはインターネットの父と呼ばれ、国と関わるようなすごい人なのに「なんて親しみやすい人柄なんだ」と村井純さんのちょっとファンになった。

 

 

村井純さん:「ビックデータやIoTのなどの膨大なデジタルデータをこれからはどう使おうか、という時代に入ってきている」「IoTはすべてのデバイスやセンサーがインターネットにつながる」

あとに話されていましたが、たくさんのデータを集めていてもデータの大部分は活かしきれていないそうです。

そしてIoTには「センサー」が重要な要素だと知りました。データを取得するにはセンサーが必要です。センサーはかなり小さくなっていることで、IoTが本格的にが現実的になってきそうなのだとか。

 

村井純さん:「昔はGPSは35万円してパケット代も研究で数十億円かかっていた」「でも今はGPSほぼ0円ですよ」

世間に広がっていくことで新しかったテクノロジー技術のコストがかなり低くなっていく、とのことでした。

 

村井純さん:「というわけで、インターネットの進化はスピードが速いので、そういうことのリテラシーを持った人が少しでも増えなければならないと思っていました。」「なのでこの角川インターネット講座の15巻の本は非常に多様な文化の専門家が未来を予見して作った本なんです」「各分野の知識や知恵を集めることっていうのが、とても大事」「出発はここからというふうに思います」

んー、角川インターネット講座の本を安く買えて本当によかったな、と感じました。笑

たしかにインターネットを使っている人は多いけれど、仕組みや歴史を知る機会ってほとんどないですよね。これだけ社会に深く根付いているのに。

 

つづいて、角川会長との対談へ。

IMG_6591左:遠藤 諭(角川アスキー総合研究所) 右:角川 歴彦(株式会社KADOKAWA 取締役会長)

IoTの定義とは

角川歴彦 会長:「昨日DeNAの難波さんとも話したんだけど、村井さんが考えるIoTはどのようにお考えでしょうか?」

村井純さん:「データと物とネットワークがつながっているのがIoTで、今はバラバラだけど、それを上手に使う社会を作りましょう、というのがIoTに込められたメッセージなんだと思います。」「そして上手に使うための技術がビックデータの活用やAIだということだと思います。」

村井純さんいわく、IoTの「o」は無理矢理だけど「データ」と読み取ることで、IoTとは「データ」と「物」と「ネットワーク」の3つがつながっているならいいんじゃないか、と言うことでした。

これまでを整理すると、

物からセンサーで採ったデータがインターネットのネットワークで世界中に共有される。しかし、今はまだデータがバラバラでうまく活用ができていない。バラバラで膨大なデータをうまく使うにはビックデータ活用やAIなどの技術が期待されている。

とこんな感じでしょうか。

それに付随して、データサイエンティストが足りないらしい。

 

角川歴彦 会長:「これからはスマホデバイスを握っているAppleやGoogleの2社にIoTの発展形も支配されていくんでしょうか?」

村井純さん:「その2社に支配されたくもないし、支配されるべきでもないですし、そうもならないと思います。Googleはすごく先手を打ってますけど、それだけじゃないと思います。」

のちの話から読み取るに、新しい技術は常に世間に”受け入れられる余地”を持っているとのことなので、村井さんの気持ちにも現実的にも他の企業が出てくる可能性はある、ということでしょう。

そもそもIoTの概念のなかにスマホデバイスがある、という認識をぼくはしていませんでした。。。

 

角川歴彦 会長:「昔はリアルの世界は”こちら側の世界”、インターネットは”あちら側の世界”なんて言われていました。」「インターネット社会はリアル社会からの”逆襲”なんじゃないかなと思うんです。」

村井純さん:「ぼくは”結婚”なんだと思います。」「リアルスペースの中でいったん作ったサイバースペースをどう生かすかのか、という挑戦がIoTの時代だとも言える」「あっちとかこっちとか、今の学生は1人残らず”こっち”だと思ってるんじゃないですかね」

前は別の空間だと思われたインターネットの世界が今では当たり前にリアルの世界に交わっている感覚です。

VRやARなんてかなりギリギリまでリアルとヴァーチャルの狭間だと思います。

 

さいごに質問のパートへ。

参加者:「インターネットが進化してきて便利になってきますと、今日のような公演もニコ生のようなライブ中継ができて”疑似体験”ができるようになっています。」「そうなってくるとリアルな場での人付き合いとかが寂れていくような感じがするのですが、そこらへんはリアルな部分は残っていくのでしょうか?」

村井純さん:「誰よりも深く、密着してネットワークの世界で生きてますけど、たとえば、酒飲むとか飯食うとか人と会うとかこうやってみなさんと会うとか、こういうことがなくなってきたとか、減ってきたとかいうことは全然ないですね」「むしろ自分としての活動とか、人と人との関係とかそういうものをきちんと作るために”道具立て”としてインターネットを使うようになるんじゃないでしょうか」

「子供が風邪で1週間学校休む、ってなった時に1週間授業に遅れて学校に行くってハードルがあるじゃないですか」「たとえリアルで参加してなくても、そこでインターネットで学校の授業を家で知ることができたら、ハードルはかなり低くなるっていう研究もあります。そしてぼくもそうだと思います。」

インターネットによって「人間関係が薄くなっていく」のではなく、むしろ人と人とがつながっている感覚を維持するためにインターネットが役立っているという考え方を持っているようです。

インターネットはあくまで手段である。

 

参加者:「IoT社会みたいなのが出てきた時に専門家ではない私たちが備えるべきスキルとか知識とかあれば教えていただきたいです」

村井純さん:「プログラミングをするとかテクノロジーをブラックボックスだと思わないで、理解してもらって取り組んでもらうだけで十分だと思います。」「身近なところのテクロジーに触れることが大事だと思います。」

ぼくのスローガンである「ワクワク」とか好奇心が大事ってことですかね。

新しいことを知っていないと時代においていかれるっていうのは、どの時代にも言えることなのでしょう。

 

参加者:「YouTubeでなぜ関連動画が出てくるんだろうかとかそういったインターネットの仕組みをITリテラシーの薄い私たちは知っておくべきなのか、それとも知る必要がないのか。」

村井純さん:「これは私たち作った側の責任といいますか、あると思います。」「子供たちにインターネットの仕組みがわかるようにするとか」「なのでそういう意味も含めて今回のような本を出すことで説明責任をしているようなところもあります。」「これからもっと努力をしていきたいと思っています。」「そしてインターネットの利用に際してクエスチョンをもっと持って欲しいと思っています。」

 

こうして、講演は終了した。

 

お話を聴いて

まだぼくは角川インターネット講座を全部読んでいないし、インターネットの歴史やプログラミングもほとんど知りません。

でも毎日のようにインターネットを利用していて、ブログ、YouTube、ツイッターなどを利用しています。

毎日インターネットに触れていると、やっぱり「そもそもインターネットってどうやって出来てきたのか?」という疑問が湧いてきます。

そんな場面で今回の本に出会ったし、講演に行ける機会を得ることができました。

「そもそもインターネットってなんだ?」って思った時に知れる機会って特に思い浮かばないしわからないですよね。

だから最後の質問のように「インターネットのある世界」みたいな環境に興味がある人が今回の講演に来たわけです。

これからもインターネットを使って生きてくと考えるぼくにとっては、歴史などの成り立ちを知ることでインターネットの本質、未来のインターネットのようなことのヒントがあると思っています。

なのでインターネットの歴史を知りたいなら「角川インターネット講座」をオススメしたいところですが、2万円越えする高価な書籍なので、そう簡単には勧めづらいですね。汗

村井純さんのお話を聴いて、なんとなく未来のキーワードやイメージを見ることができました。

そんなぼくはこれから村井純さんをマークしていきたいと思います。笑

角川インターネット講座のリンクを貼っておきます。どんな内容が書いてあるか確認するのも良いかと思います▼

 

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