【リスクをとるアーティスト】Banksy(バンクシー)の映画『Exit Through the Gift Shop』見てきた!

【リスクをとるアーティスト】Banksy(バンクシー)の映画『Exit Through the Gift Shop』見てきた!

この映画は2010年アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた作品。

いやー、おもしろかった!普通に楽しめた。

やっぱりドキュメンタリーっておもしろい!

ドラマとかゴールデンタイムのテレビ番組見てるよりよっぽど有意義な時間だと感じた。

まずは予告編を▼

詳しく話していく前に、この記事はネタバレありだということをご留意ください!

会場は渋谷パルコにある映画館。

この作品は2010年に公開されたもので、期間限定でもう一度上映するのだという。

小さな映画館でしたが、物好きが集まりそうな感じでとてもワクワクできた。

映画の内容に入る前に、、

 

Banksy(バンクシー)って誰なんだ!?

イギリス出身で世界中に出没しては作品を残して消える正体不明のストリートアーティスト。

社会風刺的な作品で、世界中から注目を集めている。

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正体不明って男心をくすぐります。

壁にスプレーで描くのが主な特徴▼

出典:www.englishdaybyday.net
出典:www.englishdaybyday.net

この作品はイスラエルで作られた『分離壁』に描かれたもの。

自分の身の危険をかえりみず、威嚇射撃を受けながらこの作品を描いたそうな。

僕はバンクシーの名前と作品を知っているくらいで詳しい活動内容は知りませんでした。

 

主人公はバンクシーじゃなかった

話を映画に戻すと、まさかのバンクシーが主人公ではありませんでした。汗

主人公はストリートアーティストを撮影し続けたティエリー・グエッタという人物でバンクシーに出会い、最終的にはバンクシーに勧められた勢いで、グエッタ自身がアーティストとして歩み出していく。

グエッタは経験も実績もないまま大掛かりな個展を行ない、成功させてしまったので、バンクシーたちストリートアーティストが腑に落ちない結果となる。そんなストーリー。

第3者(グエッタ)の視点からストリートアーティストの活動を見るスタイルだったので、そういった意味でこの映画は楽しめた。

ストリートアーティストの人たちがどんな思いを持って活動しているか、見ることができた。

 

主人公(?)のグエッタは四六時中、動画を撮影する癖があり、その被写体としてストリートアーティストたちを次々と撮っていく。

映像を撮影していくにあたっていろんなアーティストとつながっていき、最後は当時誰もが見つけられない言われていたバンクシーと出会い、撮影するようになる。

その過程でシェパード・フェアリーという『OBEY』の文字とプロレスラー、アンドレ・ザ・ジャイアントをモチーフにしたイラストで有名なアーティストが登場する。

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映画の中でシェパードは「意味のありそうな同じ作品がたくさん町中に貼ってあったら、意味があるように思えるだろ?」と言っていた。

たしかに至る所にたくさん貼ってあったら、「流行ってるのかな?」とかいろいろ考えてしまいそう。

そういった話をいくつか聞き、ストリートアーティストたちはただ落書きを書きまくりたいんじゃなくて、目的を持って活動をしているんだ、と感じた。

それはストリートアーティストだけじゃなく表現することにおいて共通することなので、こうしてブログを書いている僕にとってとても参考になった。

なにを表現したいか、なにを伝えたいか。

結局表現するものとして、みんな自分の表現したいことが何なのかが大切だと思った。

ストリートアートだろうが、ブログだろうが、曲作ろうが、その元にある想いが人を惹きつけるのだと思う。

 

グエッタがディズニーで捕まる

この話がまた面白くて、バンクシーが自分の展覧会の前日にディズニーに囚人の人形を飾りに行くということでグエッタとともにディズニーに行く。

バンクシーが計画通りディズニーに囚人の人形を設置して、立ち去る。

するとディズニーランド全体が慌ただしくなり、バンクシーと囚人の人形の様子を撮り続けていたグエッタがディズニーの係員に連行される事態に。

地下に連れて行かれると、FBIも登場しグエッタが仲間なんじゃないかと疑われる。

グエッタが持っていた「ビデオカメラを見せて」と係員に言われると、グエッタは渡す前にバンクシーの正体が映った映像を何気なく全て消去し、自分が仲間でないことを証明した。

そうしてグエッタは危機一髪でその場をしのいだ。

この事件がきっかけでバンクシーはグエッタをより信頼するようになった。

 

まるで、学生の時にやんちゃをしている時のようなエピソードです。

悪いことして、呼び出される。

この事件はそのまま捕まって犯罪者になっていた可能性があるわけで、冷静にリスクがかなり高い行動をしているんだけど、そんなリスクを取ってまで伝えたい強い想いがあるんだろうなって思えた。

実際に映画ではその時の映像があるで、見てるこちらもハラハラしました。

 

青春映画のようだった

最後に印象を一言でいうと青春映画のようだった。

「昔はこんなことやったなー」って将来語りたくなるようなできごとがたくさんあった。

グエッタはただ自分の異常な趣味(四六時中撮影する)をしていたら、しだいに趣味が仕事に変わっていき、最後は被写体であるストリートアートを自らするようなった。

映画の中でグエッタはバンクシーが見るにアーティストとしての才能がないと思われているんだけど、最後はグエッタふんするにわかアーティスト『ミスター・ブレイン・ウォッシュ』の初の個展を大きく成功させてしまう。

映画を見る限り、たしかにグエッタは変人でセンスがなさそうだと伝わってくるんだけど、皮肉にも上手くいってしまう。

この段階で映画が終わるので、結局バンクシーがこの映画で伝えたかったことってなんなんだ?って考えた。

映画の内容を思い返して考えてみると「経験も実力もない奴がマスメディアとか他人(バンクシー)の影響力を使えば成功出来ちゃうんだぜ?しょせん世の中たいして中身無いんだぜ?」みたいなメッセージだったのかなー、なんて思いました。

まぁ、映画の真意はわかりませんが、バンクシー監督の『Exit Through the Gift Shop』はアーティストの考えていることも見えたし、なりふり構わず生きている人たちの様子をみることができてとても楽しかったです。

興味があれば、DVDが出ているのでぜひ借りてみては。

 

…あと!バンクシーの新作映画がやるみたいなんで、こちらも楽しそうですよ。

次こそはバンクシーが主人公の映画なはず。

 

 

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